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退去立会なしの注意点やトラブルについて!見落としポイントやコツを紹介!

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賃貸マンションの管理会社に勤務しているのですが、退去立会を長年してきた中で気になったことやこれから引っ越しがあり退去立会で不安な人に参考になるように今回は退去立会なしの注意点やトラブルなどについて書いていこうと思います。

賃貸マンションに住んでいて引っ越しすることになり、

「退去立会ってどんなことをするのだろう?」

と不安になっている人も多いと思います。

そこで今回は、

  • 退去立会なしの場合の注意点やトラブル
  • 見落としポイントやコツ

についてご紹介していきます。

 

退去立会なしの場合の注意点やトラブルについて

退去立会は、部屋を明け渡す日までに部屋を空っぽにし入居者と管理会社(オーナーの代理)との間で状態を確認することです。

退去立会がない時の注意点やトラブルとしては、オーナー負担の経年劣化や通常損耗部分なども借主負担になる可能性があります。

国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で一般的な貸主・借主双方の退去費用の負担基準を定めていますが、退去立会なしだとその基準が守られずオーナー負担の経年劣化や通常損耗部分まで請求する管理会社もあります。

退去立会はオーナーの代理人である管理会社のスタッフが空っぽにした部屋をチェックしに来るのですが、その時に入居者の過失で破損・汚損した部分はもちろん入居者負担になるのですが、退去立会いをしていないと実際の部屋の状況をきちんと双方話をして確認出来ていないのでオーナー負担の経年劣化通常損耗部分まで請求されることがあります。

経年劣化部分とは、クロスやフローリングの日焼けによる変色や壁にポスターやカレンダーを貼っていた跡、扉の建付不具合、熱による網入りガラスの亀裂など時間が経つにつれて劣化していく部分です。

通常損耗部分とは、設置していた家具の重みによる床・カーペット・畳の凹みや壁際に設置している冷蔵庫やテレビなどの裏のクロスにできる壁の黒ずみ(電気焼け)など普通に生活していても出来る凹みや汚れです。

一番退去立会をしないと分からない部分が、例えば、入居前からあるキズや汚れ、入居中に地震が原因で家具がクロスに擦れたり物が倒れてフローリングなどのキズや剥がれ、クロスなどのカビ(管理会社に事前に報告し確認もしてもらい換気も十分している前提で)は部屋でお互い話をして確認しないと分からない部分になります。

※入居前からあるキズや汚れは、オーナーの予算が少なく入居前に最低限の工事や補修しかしていない部屋もあり、例えば、通常ならクロスの貼替が必要な状態でも貼替えずクロスのクリーニングをしているだけの部屋や多少クロスにキズや凹みがあってもそのままで補修しない場合が多いです。

そういう部分も含めた費用も請求される可能性があります。

退去立会に来る管理会社のスタッフも物件担当スタッフが毎回来れる訳でもなく、建物や部屋の状況を分かっていないスタッフや時として管理会社のリフォーム業者が立会をする場合もありますので退去立会はしておかないと不当な請求に繋がる可能性もあります。

以上見てきたように退去立会をしなければ、リスクが大きくや手間が多いので立会をしないのはオススメ出来ません。

どうしても退去立会が出来ない・してくれない場合は、最低限、部屋から荷物を全部出された後、気になる箇所を写真や動画で残しておくと不当な請求に対する反論の証拠になりますので良いかと思われます。

あとは、退去費用の精算の詳細や金額はいつ分かるのか、鍵はいつどこに返却すればよいのかも確認しておいた方が良いです。

 

退去立会の見落としポイントについて!

退去立会の際には、管理会社の担当者が各部屋をチェックするのですが、私が経験した入居者様が見落としがちなポイントをお伝えしたいと思います。

①洗濯パン

洗濯パンのある物件限定ですが、洗濯機の排水ホースと排水口を繋いでいる部品でエルボというL字型の部品です。

この部品を引っ越し時、洗濯機と一緒に持って行かれる人が多いです。

洗濯機と一緒にエルボを処分してしまっている場合は弁償しないといけないです。

エルボはホームセンターなどに行くと800円位で買えますが、管理会社に頼むと手数料も必要ですので1,000円~2,000円位掛かる場合もあります。

引っ越し先にあるなら後日郵送でも可能な場合が多いです。

②風呂・トイレ・洗面台の水垢やカビ

特に洗面台や浴槽・洗い場にぬるぬるする赤カビはよくできるのですが、普段お手入れをしていても日にちが経つとまた発生し赤カビの状態で放っておくと黒カビになります。

赤カビ黒カビが出来ている状態でも普通に使っていたと仰る入居者様もいますが、赤カビの初期の状態ならまだしもひどい赤カビや黒カビとなると簡単には落ちないので特別清掃費が必要になる場合もあります。

ですので、余計な出費を抑える為には、普段からお掃除をされるのが一番楽ですが、退去立会までに綺麗に掃除された方がよいと思います。

③キッチンのコンロや換気扇の油汚れ

キッチンのコンロや換気扇は油汚れがそのままの人もよくいらっしゃいます。

あまりにも汚れがひどいと善管注意義務違反となり普通に使用していたと判断されない場合もあります。

油汚れはひどくなると簡単には落とせないので普段からのお手入れをされるか退去立会当日までにお掃除されることをオススメします。

④エアコンの本体近くにある配管を通す穴の蓋(エアコンキャップ)

エアコンキャップもエアコンを取り外した時に処分される人が多いです。

こちらもホームセンターなどに行くと500円くらいで売ってますが、管理会社に頼むと手数料も必要なので1,000円以上掛かる場合もあります。

⑤物干し竿

ベランダに物干し竿がそのまま置いたままの人も結構多いです。入居時に前入居者の残置物を使用されてた場合は置いておいて大丈夫ですが、通常は物干し竿が入居前からあることは少ないです。

 

退去立会のコツ

①可能ならある程度部屋を綺麗に掃除をする。

これは、退去立会に行った人間にしか分からない部分だと思いますが、部屋に入った瞬間綺麗に掃除をされていると、

「綺麗に掃除をしてくれているので破損・汚損もなさそう」

というイメージが湧き、入居者負担かどうか判断に悩む多少のキズや汚れは考慮しない場合も個人的にはあります。

綺麗にしてくれていると部屋のチェックもスムーズに出来るので、お互いにとってメリットがあります。

汚い埃まみれの部屋だとクロスにキズがついていると思ったら埃が線状についていたり、フローリングやクッションフロアにシミがついていると思ったら埃が固まってたりとチェックに時間が掛かってしまいます。

②退去立会日までに管理会社に連絡する。

退去立会までに今まで気になってた部分等ある場合は、管理会社のスタッフに部屋に来てもらいチェックしてもらうことが大切です。

例えば、ベランダ近くの掃出ガラスに多い網入りガラスのヒビは、物を当てたりした記憶がないのにヒビが入っている時があります。

自然に網入りガラスにヒビが入る現象の1つは「熱割れ」と呼ばれガラスの内外の温度差によってヒビが入る自然現象です。

もう1つは、「錆(さび)割れ」と呼ばれ網入りガラスの網は鉄で出来ており、鉄が錆びると錆びている部分から亀裂が入る自然現象です。

なので入居者様には否はありませんの費用負担も通常はないです。

物を当ててのヒビと熱割れ・錆(さび)割れのヒビには違いがあるので念の為、管理会社のスタッフに見てもらうと良いでしょう。

③賃貸借契約書や「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をよく読んでおく。

入居時、賃貸借契約を結ぶ時は重要事項説明を受けて契約書類の説明を受けてとトントンと契約が進み署名・捺印して鍵の引き渡しを受けるという記憶がある人が多いかと思われます。

説明を受けている時は、理解し納得してても月日が経つにつれて記憶が薄れてる可能性があります。

結構契約書等の内容は忘れてるものなので退去立会までに一読しておくといいと思います。

特に契約書の家賃の精算の部分や特約の部分は退去時の費用が書かれている部分なので再確認しておくと退去立会の費用の精算の時に疑問無くサイン出来ます。

室内の原状回復費に関しては、国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には原状回復の費用負担のあり方についての一般的な基準が書かれていますので事前に確認しておき管理会社のスタッフから不当な精算金の話があれば根拠のある反論もできます。

スタッフによっては無知でガイドラインが頭に入っていない人もいますので読んでおく価値はあると思います。

 

まとめ

退去立会なしでの注意点やトラブルとしては、来オーナー様の負担となる箇所の請求もされることや入居前についていた又は入居中に無過失でついたキズや凹みも立会をして話をしていれば解決していたにも関わらず、立会をしなかったことによりその分の請求もあったりとリスクは大きいです。

退去立会時に入居者様が見落としがちなポイントや退去立会のコツを現管理会社社員の目線でまとめてみました。

少しでもお役に立てれば幸いです。

今回も最後までお読み頂き有難うございました。

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