賃貸マンションの管理会社に勤務しているのですが、退去立会を長年してきた中で気になったことやこれから引っ越しが決まり退去立会に向けて不安な人に参考になるように今回は退去立会の連絡などについて書いていこうと思います。
賃貸マンションに住んでいて引っ越しすることになり、
「引っ越しの連絡はどこに?何を?どうすれば良いのだろう?」
と不安になっている人も多いと思います。
そこで今回は、
- 退去の連絡の仕方
- いつまでが期限
- 遅れた場合はどうなる?
- キャンセルは可能?
についてご紹介していきます。
退去の連絡の仕方はどうしたらよい?
よく間違われるのは、連絡をお部屋探しをされた不動産会社にされる人がいますが、建物の管理をしている管理会社に連絡が必要です。
しかし、お部屋探しをされた不動産会社と管理会社が同じ場合もありますので一概に言えないですが、管理会社に連絡は必要です。
まず引っ越しが決まったら、賃貸借契約書を用意してまずは管理会社に電話すると良いでしょう。
解約の書類(解約通知書)の提出は必要ですが、電話しておく事で1次受付的な形になるので、引っ越しの意思はあると思ってくれます。
また、特約で入居日より1年未満の解約は違約金が発生したりする場合等もありますので、賃貸借契約の特約を教えてくれたりします。
①解約通知書の確認
入居時に一緒に解約通知書という書類をもらってると思いますが、無ければ電話した時に無くした旨を伝えると郵送してくれます。
②解約通知書に記入
退去日
一般的に退去の連絡は退去月の1ヶ月前までに管理会社に通知する必要がありますが、特約で2ヶ月前だったり入居日より1年未満の解約は短期解約違約金が発生したりする場合等もあります。
賃貸借契約を見てもよく分からない場合は、管理会社に聞くといつ退去が可能か教えてもらえます。
解約通知書に退去日(退去立会日)を記入し時間を書くところもありますが、引越業者さんから訪問時間や荷出し完了の時間の連絡が無い場合は、分かり次第、管理会社に電話で伝えます。
解約通知書を郵送する際、その旨のメモを入れておくと良いと思います。
逆にメモを入れておかないと管理会社の事務担当に書き忘れかなと思われ「時間は分りましたか?」等催促の電話が入る時があります。
退去理由
退去理由を書くところもあるので、簡単にで結構ですので記入をします。
退去理由を書く理由がマンションの問題(騒音等)であれば解決出来ることもあります。
しかし転勤や手狭になった等の理由でもオーナー様が転居理由を知りたい場合が多いので書いて頂いてます。
返金口座
入居時、敷金を預けている場合は、精算後、返金してもらえる金額がある場合は、振り込む口座番号の記入が必要です。
引越先の住所
よく「引っ越し先の住所はなぜ書く必要があるのですか?」と入居者様より質問があるのですが、退去立会後、原状回復工事の費用や水道代等を精算した後、その精算書を郵送する住所が必要だからです。
[box class=”blue_box” title=忘れやすいポイント]解約通知書には印鑑を押す箇所が必ずあるので印鑑(認印でOK)を忘れないようにしましょう。[/box]
③解約通知書を郵送
解約通知書には提出期限があるので、心配な人は特定記録郵便で郵送すると安心です。
管理会社がマンションから近い等、用事で近くに行く等ある場合は、直接持参する事も可能です。
持参する場合は、事前に連絡をして行かれるとスムーズに手続きできます。
管理会社によっては特定の人間しか解約手続のことが分らないので、電話して解約の事が分かるスタッフがいる時に行かれた方が良いかと思います。
[box class=”blue_box” title=特定記録郵便とは?]郵便局の窓口で郵便物を差し出した記録を残し受取人の郵便ポストに配達するまでの状況をインターネットで確認出来るサービスです。料金は、基本料金+160円です。[/box]
退去の連絡はいつまでが期限?
退去月の賃料が月割精算の場合
退去の連絡が1ヶ月前予告だと、
例えば、4月中に引っ越ししたいなら3月31日までに退去の連絡をし解約通知書の提出も必要です。
月末に引っ越しが決まり解約通知書の管理会社への到着が月末までに間に合わない場合は直接管理会社に届けるか、管理会社によってはメールやFAXで届け日が分かる方法で一旦連絡し、同時に原本を郵送すると月末を過ぎても可能な場合もあります。(管理会社に要確認)
退去月の賃料が日割精算の場合
退去の連絡が1ヶ月前予告だと、
例えば、4月15日に退去の連絡をし解約通知書を提出したとすると5月14日までの1ヶ月分の賃料が掛かりますが5/14までに退去も出来ます。(管理会社に要確認)
[box class=”blue_box” title=ポイント①]引っ越しが決まったら賃貸借契約書の条文の「解約手続き」という箇所に解約の申出は○ヶ月前予告か書かれていますのでチェックしましょう。[/box]
[box class=”blue_box” title=ポイント②]賃貸借契約書の特約事項に「入居日より○ヶ月(○年)以内に解約すると違約金○○円掛かります。」と書かれている場合があるのでチェックしましょう。[/box]
[box class=”blue_box” title=ポイント]賃貸借契約書の条文の中に「家賃」という項目があります。そこに「終期における月の家賃は~日割計算か月割計算か」書かれていますので、ここもチェックしましょう。[/box]
以上、確認してどうしても引っ越しの時期を変更出来ない事情がある場合は、ダメ元で管理会社に相談してみましょう。オーナー様によっては相談に乗ってくれる方もいらっしゃいます。
退去の連絡が遅れた場合はどうなる?
退去月の賃料が月割精算の場合
退去月の賃料が月割り精算とは、4月中に引っ越しをするなら4月のいつ退去しても1ヶ月分の賃料が掛かる精算方法です。
例えば、
[aside type=”boader”]
4月末に退去希望だが管理会社への解約通知書の提出が4/2になってしまった。
賃料が先払い(賃料が先払いとは4月分の賃料なら3月末までに振り込み等の方法で入金が必要な支払い方法)
退去月の1ヶ月前までに届出が必要な場合
[/aside]
この例の場合、3月中に解約通知書を管理会社へ提出する必要があるのですが忘れていると、賃料が先払いなので3月末に支払う賃料が最後なのですが、今回届出が4月に入ってるので違約金として5月分まで賃料が掛かる場合があります。
退去月の賃料が日割精算の場合
退去月の賃料が日割り精算とは、4月20日に引っ越しをするなら4月1日~4月20日までの賃料が掛かる精算方法です。
例えば、
[aside type=”boader”]
4月10日に退去希望だが管理会社への解約通知書の提出が3/20になってしまった。
賃料が先払い(賃料が先払いとは4月分の賃料なら3月末までに振り込み等の方法で入金が必要な支払い方法)
退去月の1ヶ月前までに届出が必要な場合
[/aside]
この例の場合、4/10退去するには1ヶ月前予告なので3/11までに解約通知書を管理会社へ提出する必要があります。しかし、今回、提出が3/20になってしまいました。この場合は、1ヶ月前予告なので4/19までは賃料は掛かりますが、引っ越しは4/10にすることも可能です。
[box class=”red_box” title=ご注意]2パターンの内、退去月の賃料が月割精算の場合は、解約通知書の提出が1日でも月を跨ぐともう1ヶ月の賃料を支払う場合がありますので注意が必要です。[/box]
※退去月の賃料の日割精算の仕方・計算方法は各管理会社違う場合もありますので、管理会社に要確認が必要です。
解約の連絡をした後、キャンセルは可能?
今まで一人暮らしをしていたが彼女と同棲や結婚の為に新居に探し引っ越し予定だったが彼女と破局になったり、転勤が急に無くなったり等、解約の連絡や解約通知書を管理会社に提出している場合、キャンセルは可能なのでしょうか?
管理会社に連絡だけしている場合
管理会社に電話やメール、FAXなどで解約の連絡をしている場合は、まだ解約通知書を提出していない状態だとキャンセルが出来ます。
管理会社としては解約の電話があった時点で空予定部屋として入居者募集活動を始めます。
人気のある物件や就職や入学でお部屋探しの動きが活発になる春先などは、部屋の中を見ずに申し込みをされる方もいらっしゃいますので、次の入居者が決まっている場合はキャンセルは難しいでしょう。
しかし、まだ解約通知書を管理会社に提出していないので手続上は解約は出来ていないので、キャンセル出来る権利はあるので、そういう場合は管理会社に相談してみましょう。
管理会社に解約通知書を提出している場合
管理会社に解約通知書を提出している場合は、賃貸借契約書の条文の「解約の手続き」に書かれている場合が多いのですが、「管理会社の書面による承諾があれば…」等と条件がついてまして、基本キャンセルは出来ません。
管理会社も解約の連絡があるとすぐに次の入居者を探すため、募集活動を開始しインターネットの募集サイトに空予定部屋として登録し仲介業者にも情報を提供します。
人気のある物件や就職や入学でお部屋探しの動きが活発になる春先などは、部屋の中を見ずに申し込みをされる方もいらっしゃいますので、次の入居者が決まっている場合はキャンセルは不可能です。
解約通知書に署名・捺印をされて解約の意思表示を書面で提出されているので、通常はキャンセル出来ないですが、次の入居者が決まっていない場合は相談に乗ってくれる管理会社もありますので、キャンセルが必要と分かった時点ですぐに管理会社に連絡をしましょう。
まとめ
今回は、退去の連絡の仕方をご紹介してきましたが、私個人の意見としましては、引っ越しが決まったら管理会社にまず電話をするのが良いと思います。
電話することで
- 解約の手続きの流れや注意点
- 解約通知書の提出期限
- 違約金等費用
退去の連絡のキャンセルは、管理会社に解約通知書を提出し受理されると通常は出来ないですが、次の入居者が決まっていない場合は、キャンセル出来る可能性もあります。
少しでもお役に立てれば幸いです。
今回も最後までお読み頂き有難うございました。
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